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ラボログ#5

デザインの力

こんにちは!宅間です!

第5回目のラボログは、機材紹介ではなく趣向を変えて、
“デザインが持つ力や影響力”について書いていきたいと思います。

デザインとは

僕は社会人になってからずっとグラフィック・ウェブデザイナーとして働いてきました。
今現在、スパイスラボでも主にそういう役割で働いています。

何かをデザインする時、デザイナーの方なら自然に考えていることかと思うのですが、
僕はその制作物を誰かが見た時にどう感じるのか、またそれがどういう効果をもたらすのかを一番に考えます。

デザインはコンセプト(全体を貫く、骨格となる発想や観点)にフィットしているかどうかが最も重要で、ここがハマっていればいるほどうまく機能し、大きな効果をもたらすと考えています。

 

佐藤卓さん

例えばこんな例があります。

出典:株式会社 明治

明治おいしい牛乳(2001~)

皆さんスーパーやコンビニでよく見かけるのではと思いますが、このデザイン、すごくハマっていると思うんです。

デザイナーは佐藤卓さん
株式会社TSDO

明治のデザイン担当者の方曰く、おいしい牛乳のパッケージはデザインが食卓の空気を邪魔することなく自然なたたずまいになることに留意したそうです。


依頼する商品が「牛乳」という極めて身近な品で、毎日の生活に溶け込んでいるカテゴリーであるため、デザインが食卓の空気を邪魔することなく自然なたたずまいになることに留意しました。

出典:「明治おいしい牛乳」パッケージのフォントが統一されていないワケとは? – デザイン担当者に聞いてみた

 

 

仮にこれが奇抜で洒落たデザインだとすると、消費者の目を引き、短期的に売り上げを上げることはできるかもしれませんが、食卓の空気を邪魔しない自然なたたずまいというコンセプトにはフィットしていないかと思います。

また、佐藤卓さんはうまく機能しているデザインは“気付かれない”ものだとおっしゃっています。


うまく機能しているデザインというものは、“気付かれない”ものなんです。

出典:気付かれないデザインこそ、デザイン。佐藤卓さん(グラフィックデザイナー)

 

 

逆に言うと、とても自然で違和感のないデザインはうまく機能するということだと解釈しました。

ある時、佐藤卓さんがバーで知り合った方に自分の仕事の説明をすることになり、
「明治おいしい牛乳」のパッケージデザインを例に挙げたところ、
「あれのどこがデザインなんですか?」と言われたことがあるそうで、
「僕にとっては、これ以上うれしい言葉はなかった」とおっしゃっています。


あるとき、バーで知り合った初対面の方に自分の仕事を説明することになりまして、その「明治おいしい牛乳」のパッケージデザインを例に挙げたんです。するとその方が、「あれのどこがデザインなんですか?」とおっしゃったんですよ。そんな風に言われたら腹を立てるデザイナーもいるかもしれませんが、僕にとっては、これ以上うれしい言葉はなかった。

出典:気付かれないデザインこそ、デザイン。佐藤卓さん(グラフィックデザイナー)

 

 

おいしい牛乳のパッケージは、
中央に配置されたロゴで消費者の意識を引きながら(ネーミングもシンプルでわかりやすくていいですね)、メインカラーの青で牛乳らしさや新鮮さを、コップに注がれている牛乳の写真でシズル感を表現し、パッケージ上部に用いられた曲線や先端に絶妙に丸みを持たせたロゴによって、全体的なまろやかさや柔らかさもあります。

とても理論的に細部まで作り込まれたデザインだと思いますが、
何より食卓の空気を邪魔しない自然なたたずまいというコンセプトにぴったりフィットした素晴らしいデザインではないでしょうか。

長い間デザインが変わらず好調な売り上げを維持されているのは、
毎日の生活に溶け込み、うまく機能しているデザインだからこそだと思います。

 

佐藤可士和さん

こんな例もあります。


出典:KASHIWA SATO

HONDA STEP WGN1996

デザイナーは佐藤可士和さん
KASHIWA SATO

それまで(現在でも言えることですが)車の広告といえば、車の写真を大きく使い、商品のビジュアルや性能を全面に押し出すものが多い中、こちらの広告では従来の概念を覆し、通常では考えられないほど小さなサイズで車の写真が使われています。

HONDAブランドや商品の写真を押し出す広告ではなく、
「こどもといっしょにどこいこう。」というキャッチコピーとともに、ファミリー向けに作られたステップワゴンを購入した先の、“家族で一緒に出掛ける楽しさ”を感じさせるデザインで、それまでのものとは広告のコンセプトが大きく違いました。

佐藤可士和さんが自ら描かれたというイラストはとてもハッピーでワクワクしますし、
コンセプトにしっかりフィットしながら、今まで見たことがない斬新な切り口で消費者へアプローチし、商品の世界観を軸とした新たなブランディングとして高く評価されました。

実際にこのキャンペーンはセールスにも直結し、ステップワゴンはミニバン市場ナンバーワンの座を獲得したそうです。

BGMに「Ob-La-Di, Ob-La-Da」が使われたCMもこれ以上ないぴったりな選曲で、
僕は子供ながらにとても印象的で、今でも記憶に残っています!

 

このように、デザインが持つ力ってとってもスゴイと思うんです。
どちらのケースもデザインが違っていたら、全く違う結果となっていたことでしょう。

 

ユニフォームを作りました

そこでというわけではないのですが、
スパイスラボではスタッフが着用するユニフォームを制作しました。


カバーオールジャケット


スタジアムジャケット

今まで各々の私服で勤務していたのですが、全スタッフが同じデザインのユニフォームを着用することで、また違った景色が見えるのではないかと考えたからです。

社外の方からの私達の見え方も変わるかもしれませんし、
私達自身 同じユニフォームを着るということから結束力が生まれたり、働き方も変わってくるかもしれません。

具体的にどのような変化が起きるのか、まだはっきりとは分かりませんが、
デザインの力による何らかの効果はあると思っています。

コンセプトは「機材レンタル業界でカッコよく働く男達」です。笑

僕らの雰囲気に添うという点に留意しながら、
機材レンタル会社のユニフォームとしては斬新でカッコいいデザインを心掛けました。

新しいユニフォームを身に纏ったスパイスラボを
今後ともどうぞよろしくお願い致します!

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